近況と Bruno Mars と Daft Punk

 学会で発表するため、車ではるばるボルティモアまで行って帰ってきました。距離的には300マイルくらいなので南部旅行した時の感覚ではそこまで大変ではなかったんですが、やはりロングアイランドからマンハッタンを抜けてニュージャージに向かう時とその帰りとでは渋滞に巻き込まれ、なんとなくストレスフルでした。が、アメリカでの州間移動は基本的にひたすら真っすぐ走るだけですし、サービスエリアが充実していたのでドライブ自体は楽しかったです。$300で買ったVolvo850君はしっかりと安定した走りを見せてくれ、昨日の深夜に自宅にたどり着いたときには思わず「ありがとう」と言ってしまいました。

 ボルティモアはなんとなく旧い町の面影はあるのですが、どうもスカスカしていて日本の地方都市がオシャレになったような場所というかんじ。ボストンにも似ていたかな。バーンズ・アンド・ノーブルの巨大な店舗や9・11のメモリアル、そして有名なハーバーエリアの向こう側に立ち並ぶ赤レンガ造りの建築物が印象的でした。
 学会は以前に出席したALAと同じぐらいの規模で、やはりなかなか豪華なホテルで行われました。アメリカの学会は日本よりもはるかに規模が大きいし、研究者も外人なのでフレンドリーで活気があるし、レセプションの会食、コーヒーや軽食などが充実しているのですごく楽しいです。できれば日本に帰っても日本の学会に出ないで毎年海外の学会に出張したいぐらい。一泊したホテルは会場から徒歩3分の場所でしたが、一階にWholefoodsとCVSがあり、ジムと温水プールもタダで利用できたしでこちらも最高でした。ホテルの向かいには最近人気爆発中のメガネ屋Warby Parkerの実店舗があり、発表前に時間があったのでふらっと立ち寄った結果、メガネを二つも新調してしまいました(ちなみにWarby Parker という名前は、ケルアックの日記に登場する人物二人の名前をくっつけたものらしいです)。

 帰りはフィラデルフィアに寄って、ロッキーの階段で記念写真も撮ってきました。あの階段はフィラデルフィア美術館の正面階段なのですが、夜6時頃着いたにもかかわらず、ちょうど金曜日だったので閉館が8時半といつもより遅く、美術館も見学できました。ここは私の最も好きな芸術家の一人、マルセル・デュシャンの『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも』(通称「大ガラス」)と『(1)落下する水、(2)照明用ガス、が与えられたとせよ』(通称「遺作」)が展示してあるのです。それだけでも来た甲斐があるというものですが、他にも古代から現代まで、教科書に載るレベルの美術史上かなり重要な作品が数多く展示されているし、私はまったく知らなかったアメリカン・アートの素晴らしい作品の数々もあって、最高でした。いままで結構いろんな国の美術館に行きましたが、メトロポリタン、ボストン、テートと並び、個人的に相当お気に入りの場所となりました。アメリカに住んでいる間にまた必ず訪れようと思います。

 さて、本文が長くなったので後は単なるオマケなんですが、今回の長距離ドライブ中、ラジオで流れてくると一番うれしかったのがBruno Mars の新曲 That's What I Like と The Weekend が Daft Punk をフィーチャリングした I Feel It Coming です。ブルーノ・マーズとダフト・パンクはどちらも70年代〜80年代の良質なディスコ・サンドやR&Bの遺伝子を完璧に受け継いでいて、毎回新曲が楽しみなんですが、この数年は特に良いですね。毎回、「こういう曲を待っていたんだ!」と唸らせてくれます。






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