Saul Leiter

 そういえば、このブログの背景とフォントを少しいじりました。前のものはテンプレそのまま、適当に選んだものだったのですが、あまりに真っ白だとどうも目にキツイので、やわらかめになるよう暗くトーンダウンしてみました。
 せっかくなので背景画像もいれようと思って、大好きなマグリットもいいなと思ったのですが、やはりあまり目立つものは回避したかったので、個人的に最も「癒やし」を感じる写真家 Saul Leiter の作品を選んでみました。といってもブログの本文が真ん中を占領しているので、写真そのものはほとんど見えないんですが・・・(しかしそれも Leiter らしい構図といえなくもない)。

 と、いうわけで Saul Leiter を紹介してみようかと思ったのですが、な・な・なんと、つい最近まで彼をフィーチャーしたドキュメンタリーが日本で公開されていたのですねーー。
映画『写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと』公式サイト
原題は In No Great Hurry: 13 Lessons in Life with Saul Leiter ということで、自己啓発系のダサいタイトルは決して日本の宣伝会社のせいではないようです。オンラインでも観れるし、DVDも買えるようなので、鑑賞したら感想を後日書きたいと思います。
 こういうミニシアター系の映画がどれほどの影響力を持つかは不明ですが、もしかしたら日本でも Saul Leiter の知名度はじわじわと上がっているのかもしれません。なにげに日本公開版、字幕が外文シャレオツ系(私がいま勝手に命名)のドン、柴田元幸先生なんですよ。なので、結構宣伝に力を注いでいるのかもしれない。

 Leiterは50年代というかなり初期の時代から実験的な構図で写真を撮っていたのですが、ほとんど評価されることがなく、主にファッション雑誌のスナップなんかで食いつないだりしていたのですが、2006年に最初の個人作品集が出版されると俄に再評価がすすみ、いまでは「忘れられていた天才」みたいな地位にいます。

   

↑一番左が最初の作品集。いまのところ、Leiterの作品集はあまり多くありません。ちなみに真ん中のやつはシリーズで様々な写真家の作品集を文庫本サイズで出版していて、ちゃんとした解説もついていてオススメです。

 Leiter の写真は精神性や調和を感じさせる分割とカラーリングが特徴的で、ものすごくざっくり言ってしまえばロスコーの絵画の写真版といった感じです。もちろん写真なのでロスコーほどの抽象性があるわけでもなく、しかも彼の写真はほとんどニューヨークなどの都市の街角スナップでもあるので、そのへんの偶然性が生み出す奇跡的な構図にも面白みがあります。なにより、アメリカ50年代の街を写したものとしても大変興味深い。
 ググってもらえば見れるので画像は貼りませんが、私は雨粒のついたガラス越しにとられたシリーズなんかが好きです。Leiter の作品は必ず画面内にある種の「仕切り」があり、人物をめったに正面から撮らない、そしてそこはかとない「孤独」の雰囲気などから、エドワード・ホパーの絵画に通ずる感もあるんですが、ホパーほど突き放した感じではなくてもっと暖かみがある点も、私が「癒やし」を感じる所以です。



相変わらずVaporwaveばかりリピートしている今日このごろ。懐かしのCM集みたいのを流用しただけの映像は、さすがに手抜きすぎだと思う。個人的には、Vaporwaveにはやはり大友克洋監督の80年代~90年代初期の映像がいちばん合う。ところで、34:40~のt e l e p a t h テレパシー能力者(たぶん日本人ではない)の作品、相変わらず良い曲なんだけど「アストラルセックス」っていうタイトルはさすがにどうなんでしょう。カタカナだと余計にシュールだよ。

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