深作欣二『蒲田行進曲』(1982)

 FilmStruckに入っているのに気づいて鑑賞。ちなみに英語圏での題名は Fall Guy。かっこいいですね。
 なんとなーく気が進まなくて観てなかったけど、観たら観たでやっぱすげぇ面白いんだな、っいうよくあるパターンでした。深作欣二すごいすごいと言われているけれど、『仁義なき〜』はもちろん何度も観てますが、映画演出としては『蒲田行進曲』のほうが圧倒的にすごいんではないだろうか。もう、とにかくケレン味がある。東映の京都撮影所が舞台なのに、浅草の話のように思えてしまう。
 冒頭で風間杜夫にけしかけられて平田満がスポーツカーに飛び乗るシーン、あそこのカットの切り替えと音楽の挿入の仕方がとにかくカッコよかった。基本的に素早いリズムでがんがん役者がしゃべる感じは、舞台の演出から来ているんだろうけれど、それが映画と組み合わさったことでちょっと普通ではない魅力が生まれている。
 風間杜夫演じる銀ちゃんのファッションセンスとか、あの将棋の王将がいっぱい描かれた車とか、あーいうのってどういう経路で発展した美学なんですかね?ものすごいかっこいいと思うんですが。毎回、銀ちゃんがへんてこな服を来て登場するのがすごい楽しみでした。
 この映画、銀ちゃんの子分役で萩原流行がいるんですが、平田満演じるヤスがついに階段を転げ落ちるクライマックス、床から這い上がるところで彼の後ろにいる維新志士達が映るんだけど、あの中にぜったい萩原流行混じってるよね?一瞬だったのでちゃんと確認できなかったんだが、明らかに萩原流行とわかるあの顔面がものすごい個性を主張していた。

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